とにかく、そういう日だった。
秋田に帰ってやっぱりちょっと悲しかったのが、きーちゃんのお迎えがなかったこと。
家のあちこちにきーちゃんの匂いが染みついている。きーちゃんが亡くなったとき、見ると悲しくなるからと、母親はきーちゃんの猫砂とかエサの器とかぜんぶ片付けてしまったそうだ。でもなぜか、いなくなってからの方がきーちゃんの匂いが強く感じられる。
亡くなる前に、きーちゃんがあちこちにゲロを吐きまくるので、うっかり踏まないようにと地雷を探すように床を歩いていたけど、もうその必要がなくなって寂しい。キーちゃんが通るために、いつも扉を少し開けてしまうクセが抜けない。
家族でそんな話で笑えるようになったから、よかった。苦しみから開放されてよかったんだ、と母も言ってた。
きーちゃんの墓にはかわいい花しか飾らない、と父が言ってるらしい。とーちゃん、かわいいとこあるね。きーちゃんのお墓は、父の寝室からもよく見える。
酒量:瓶ビール半分。