ところで、日本酒の保管をするのに、レマコムという冷蔵庫を使っている。レマコムの中の温度計が夏の間は0度付近だったのに、最近は-5度付近になってる。外気って、そんなに影響するものなんだな。「レマコムの 温度計みて 冬を知る」って、一句できた。
あと最近は、収納などの問題で、酒を買うのを控えて、開封して放置していたお酒を飲むことにしてる。飲みさしをいろいろ飲んでると良く変化したもの、そうでもないもの、さまざまあっておもしろい。でも、だいたいなんでも飲める。酒が進む、進まないは別として。
写真は、右から、今年のメガネの日にもらった宮城・萩野酒造の「メガネ専用」酒。真ん中は、古酒専門のいにしえ酒店で買った山口・村重酒造の「日下無双」純米60の生酒。左が、先日福井に行った帰りに立ち寄った今庄宿で買った「鳴り瓢(なりひさご)」。
新旧いろいろ。「鳴り瓢(なりひさご)」は、生貯蔵でいわゆる、ひやおろしという秋の酒。苦味が長く続く感じがあった。びりびりと余韻が長い。もう少しおいてみよう。ナッツ、漬物をつまみに飲んだ。
ところで、まだ、しつこく「アッサンブラージュ」のことを調べていた。アッサンブラージュとは、ボルドーワインの特徴のようだ。ボルドーワイン、すなわちボルドー地区のワインは、品種の違うものを植えることで天候リスクを避けていたようだ。しかもブレンドすることで、味のバランスを整えられるし一定の美味しさを保てるしで、いいことづくめ。
通常は、酸とタンニンがしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨンと、果実味がありむっちりとしたボディ感のあるメルローをベースに使うようだ。日曜日のアッサンブラージュは、メルローがなかった時点で、だいぶ片手おちだった模様…。
よく考えたら、日本酒の蔵でも、タンクごとブレンドして出しているものもあるから、アッサンブラージュと言えないこともない。品種違いとかじゃないから、ちょっと違うか。アッサンブラージュって言いたいだけ病からまだ逃れられない。
麹米が山田錦で掛米が五百万石といって、使う米を用途によって変えているケースもある。これは、品種を混ぜるという意味で近そうだ。でも、お米を変える目的が、味わいそのものというよりも、米が入手できるかどうかとか価格的な問題とか、そっちの要因、大人の事情的なものが大きそうなので、味わいを調和させるというワインの考えとは根本的に違うような気もする。もちろん、きちんと考えてやってる蔵もあると思うけど。
あと似てるのは、酵母のブレンドかな。たとえば、協会酵母1801で造ったものと9号で造ったものを混ぜるとか。これは、味わいを補うという考えからしたら、アッサンブラージュ的かも。でも、酵母投入の時点で混ぜるようであればちょっと違うか。
会社を超えたものだと、秋田の金紋錦と千歳盛がつくったブレンド酒は興味深い。
新酒「チトセザカリ純米吟醸」に、10年と18年貯蔵した2種の古酒「山吹」をブレンドしたらしい。先日、秋田空港で四合瓶3000円くらいで販売しているものを見かけたけど、天の戸の「白雲悠々」がどうしても欲しくて見送ってしまった…。お金持ちになりたい…。
というか、ひとつの蔵の中だったら、古酒(BYを超えたという意味でも)と新酒のブレンドは、蔵内ではふつうにやってるか。先日、黒龍に行ったときも、新酒と貯蔵して熟成させたものとブレンドして出荷していると聞いた。千歳盛と山吹もそういう意味では、蔵をまたいでいるといっただけで、やっていることは変わらないような気もする。
そういったことを考えていて、ふと思ったのが、蔵ひとつひとつの個性や味わい、酒にこめた思いはどうなる? 問題。個人がアッサンブラージュし始めたら、それはやっぱり蔵元にとってもあまりうれしくはないことなんだろうなぁ。
思いをないがしろにしたいわけでなく、別の次元で日本酒を崇めるようなものでなく、身近で楽しめるものになってほしいなーと思ってるだけなんだけどね。ま、それはそれで体験キット用に特化して造ればいいんだろうけどね。
そういや、仙禽さんにアッサンブラージュした「醸」があった。
https://www.hasegawasaketen.com/eshop/products/detail/11843
こういうことだね…。
これにて、日本酒のアッサンブラージュ考、終了。なんでもかんでもワインに合わせて考える必要なかった。でもブレンドっていうより、響きがかっこいいんだよなぁ。
あ、写真の酒はアッサンブラージュしてませんよ!
酒量:日本酒 1合