のんべえ手帖

のんべえの日常を綴った日記

日本酒学園のオンライン文化祭へ参加

昼から日本酒学園の日本酒文化祭オンライン2020に参加。金虎の杜氏さん、剣菱と七賢、獺祭の蔵元さんの講座にでた。

 

金虎の大吟醸づくりの話の中で、「アル添」について興味深かった。

アル添した方が、酵母にストレスがかからなく、味がやさしく飲みやすさが出ること。実は、逆なのかと思ってた。ほかにも、酒粕に香りを移さずに香りを抽出できるとか劣化に強いとか。アル添は、目指す酒質によってとても重要な役割を果たすわけだ。

わたしは、純米信仰はないけど、ピュアライスのみ、余計な添加物なし!とか、そういうことに価値を感じる思考は理解できる。でも、アル添の量やアルコールの質とか、杜氏さんのスキルによってアル添かどうか、どっちかなんて区別できないこともある。美味しさ、という観点で見ると、どちらが上とか下とかそんなものはない。

純米信仰は、あくまで信仰や考え。体質的に肉は食べれるけど、食べない主義みたいな。美味しいとかを超えた次元のもの。そういうものだと思ってる。

 

文化祭の中で、一番注目してたのが、3限目の剣菱酒造「500年の歴史、ブレンド、貯蔵について」だった。蔵元の白樫社長は、話がうまくてすごく惹きつけられた。なんていうか、キャッチーなフレーズが多いので覚えやすい。

f:id:skyfrogs:20200601005741j:plain

「酒の味に投資を惜しむな」「止まった時計でいろ」「日本酒界の古典派」というフレーズもかっこよすぎる。

あと「味を変えないために、造りを変える」という考え方も。そのため、精米歩合はその年の米の状態で決めるそうだ。だから特定名称ではなく、普通酒

精米歩合を毎回変えるっていうのは、衝撃だったけど、たしかに理にかなってる。

 

四季醸造かと思ってたくらい大手だし、スーパーやコンビニで安価で変えるお酒なのに、木の暖気樽使ったり蓋麹法とか手のかかるやり方なのも驚きだった。剣菱の味をしっかりと守ることに、ぜんぜん手を抜いていない。

 

剣菱では、最低2年は熟成してから出荷。ランクが上のものは5年10年と年数が伸びる。最長で、40年ものの古酒が貯蔵してあるそうだ。いつか商品化を考えているとか。

の、のみたい…。いったいいくらになるんだろう? 値づけにも興味ある。

 

造りは10月〜4月半ば頃まで、蔵人80人があちこちからやってくるそうだ。夜は毎日、酒盛りで剣菱飲み放題。しかも、丹波杜氏とか日本海側から来る人が多いから、新鮮なエビとか海の幸が振る舞われていて、蔵人への待遇も厚い。

一升瓶3000本消費すると言ってたけど、たぶんひとシーズンにっていう意味、のはず。働き手はいつでも募集中。1泊2日で蔵人体験させてほしい。いや、夜の剣菱だけでもいい。思いのままに、けんびりたい。

 

セミナーの後は、登壇した蔵元さんが集合して座談会。コロナ禍の状況や対策、これからの話など。なかなか聞けない話も多くて、とても豪華なイベントだった。

 

酒量:日本酒2合