のんべえ手帖

のんべえの日常を綴った日記

スペシャルティRICE

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美味しいと聞いて、買ってみたのだけど、本当に美味しかった神亀 純米吟醸「小鳥のさえずり」。

純米吟醸だから吟醸香りがするかというとそうではなく、小鳥のさえずりだから、ハイトーンのチュンチュン声かあるかという言うとそうでもなく。

3年以上、マイナス10度の低温熟成を経て飲み頃認定されたお酒だそうだ。

にしても…精米歩合50%で低温熟成にしては、お酒の色黄色寄りすぎる(見えないけど黄色い。麹歩合高い?)

香りは少しツンとしたアルコール、お米を口の中で溶かしたみたいな甘さ。蜜とかバターのような熟成感。甘そう(そして苦いかも?)という予感。

飲んでみると…、バニラエッセンスみたいなフレイバー!甘い、そしてほんのりとしたいい苦味。甘みはスッと消えるけど、心地よい余韻が細長くふんわりと続く。

これは、吟醸と純米が本当の意味で手を取り合った純米吟醸ではないだろうか。3年(それ以上)の時をかけて、クリーンな清涼感とほっくりとしたお米感が強く結びついて同時に存在している。means うまい。

 

まったく関係ないのだけど、コーヒーについてのドキュメンタリーを見て、米について考えていた。

コーヒーの世界では、原料である豆をコモディティスペシャルティ(スペシャリティ)に分けて定義していた。スペシャルティの方は、なんじゃかんじゃと決まりがあって、スペシャルティゆえのスペシャルティとなっている。↓

scaj.org

 

自分サードウェーブコーヒーとごっちゃになってた。でも、あくまでも"豆"が特別であるというのが、スペシャルティコーヒーだそうだ(サードウェーブはどっちかというと、淹れ方?)。

ドキュメンタリーの舞台は、美味しいコーヒー豆が採れる特別な地域から、焙煎工場、カフェやバリスタの大会と幅広かった。そして日本のカフェが、2店舗なぜか取り上げられていた(サードウェーブコーヒーの元祖は、日本が原点みたいな話)。それはおいといて…。
原料である豆の生産現場であるどこか海外のコーヒー農園では、ぶどうの房みたいに木の枝にまとまって真っ赤なコーヒーの実がなっている(さくらんぼみたいなので、コーヒーチェリーと言うらしい)。実の収穫時期を見て、ひとつひとつ手で積んでいく。農場は広いし、豆は小さいし相当に労力かかっている。

さらに、実から果肉をとって種だけにする。洗ったり乾燥させたりして殻をとって生豆状態にする。さらにさらに、豆の大きさを揃えたりスペシャルなものを選別していく。その工程はほとんど人力だった。

と、まあ、見てるだけで、スペシャル感が伝わるものだった。なるほど、そういった類のコーヒー(生産地が書いていたりする)がちょっと高いのも頷ける。

 

それで思ったのが、日本酒も米をここまでスペシャルにできないのかなぁと。手積みは無理としても。スペシャルティRICEなんですって、いう概念が広まると、わかりやすくていいんじゃないかな。てかすでに、兵庫県には特A地区とかあるか。あるにはあった。

特別な地区で採れた特別な米を総称して、「スペシャルティ」と呼ぶようにしたら、なんか特別感がでる感じがする。特A地区の他にも、各地でこだわった製法で米作りをしているわけだし、そういうのは全部スペシャルティにしたらいいのにな。というか、勝手にスペシャルティと呼ぶことにしよう。よし。

 

この小鳥のさえずりもスペシャルティだった。田中さん!ありがとうございます!

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コーヒー豆には、スペシャルティとコモディティのふたつがある。ワインには白と赤のふたつがある。そういう感じでシンプルに分けられるのではないか?

ついでに言うと、スペシャルティの米の特徴をしっかり生かしたものになるといいなぁ。同じ五百万石でも製法が違うと米の特徴がまったくでない、みたい話はもう聞きたくない。ま、それはあってもいいけど、そこを全面にださず。あ、やっぱりシャルドネってこういう味よね、みたいな。そのくらいざっくりとした感じでいいからさ。

 

ちなみにコーヒーは大雑把にわけて、①豆の生産→②原料処理(選別)→③焙煎→④豆を挽く→⑤抽出する、の工程を別々の人や企業が行う。提供する場所(カフェとか)では、④と⑤、または③④⑤を行う。豆は米と一緒で持ち運び自由。国も超えられる。

日本酒だと①米の生産→②原料処理→③発酵(酒造り)→④瓶詰め→⑤提供(燗にするとか?)こんな感じか。あらためて、提供する場(居酒屋とか)で、できる範囲や自由度が少ない(酒造りまで関わってる人やお店もあったりするけど)。

 

日本酒は、ワインと比べられること多いけど、コーヒーと近い要素もあるんだなぁと思った。ただ現状だと、米は手積みしないし、最近では機械でぜんぶやるし。もっとスペシャルティ感を出す要素(PRポイント)があるといいな。

 

実家の秋田も田植えの季節と聞いて、そんなことを思ってみた。うちは無農薬米でもなんでもない、コモディティ米だけど!うまいけど!


酒量:日本酒30ml(なう)

 

これ必見!

www.afilmaboutcoffee.jp