のんべえ手帖

のんべえの日常を綴った日記

戦国武将のような酒

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寒いので、あえての「春」を。

区の無料検診がきっかけで、近所の歯医者に行きはじめた。「虫歯あるよ」と言われるまでは、なんとも思ってなかったけど、意識しはじめたらなんだかズキズキしてきた。早く治そう。

「京の春」は、本所吾妻橋にあるニシザワ酒店さんで買った。1か月前のセミナーのとき飲んでもらおうと思って用意したけど、結局違うお酒にしたので、家でじっくり飲んでいる。

ニシザワさんでは、いろいろ試飲させてくれた。燗もつけてくれるし、常温と飲みくらべさせてくれたりして楽しかった。試飲させてもらったお酒は開封してから時間がたったもので、同じものを買ってもすぐにその味にはならない。「京の春」もそうだし「ひこ孫」もそうだった。試飲のものは、半年〜1年くらい経ったものっていうのがザラだった。

試飲の美味しさを再現するには「飲む前に封開けして酸化させる」時間をとる必要がある。つまり、ちょっと手のかかる子なんだ。もちろん、そのまま飲んでも不味いということはないけど、ちょっと置いとくと良くなるなら、そりゃ置いておくよね。ちょっと置いとく=酸化させることで、味がのってきて本来の特徴がでてくるお酒なのだ。

 

もちろん、時間が経てばたつほどずっと良くなり続けるということはなく、おそらくある程度まで味があがって、その後は変化がなくなるんだと思う。たまに、あがってたりさがったりする酒もあって、飲み頃が読めないものもある。酒の味がさがっているときの状態を、いにしえ酒店では「酒が風邪をひく」と呼んでいた。

 

関係あるようでないけど、ちょっと前に、大井町にある國酒専門スタンディングバー「國酒文化振興酒場 佐賀」に行ってきた。そこには、まったくもってお酒を酸化させないシステムがあって、それはそれで極まっていて驚いた。もともとワインを酸化させない仕組みの機械を改良して、日本酒用にしたのだそうだ。

そういえば、なんとなくのイメージで佐賀ってフレッシュで華やかなお酒が多かったかもと思い(天吹、鍋島あたり…)だったら、酸化させない方がいいのかもと思った。でも、最初に出してくれたお酒が、たまたま古酒で。そこまでしなくてもいいのでは…とちょっとだけ思ってしまった。もちろん、お店の方も酸化のすべてが悪、と捉えているわけではなく、フレッシュなお酒をいつまでもフレッシュで出せるよ!と言う部分をPRしているだけなんだけどね。

 

少し置いておくくことでいい変化が生まれる酒って、なんていうか夢がある。なんでもかんでも、今すぐ消費しなくてもいいんだ。ドンと構えて、機が熟すのを待つ。戦国武将みたいじゃないか。違うか。

 

ときどき、家にあってまだ封開けしてない酒を片っ端から開けていこうか…という衝動にかられるけど、やっぱりもったいないような気がして開けられない。

とはいえ、温度によっても変わるので、酸化じゃなくても変化はしているわけだ。話がずれてきた。

ちなみに、床暖房のうえに直に一升瓶を置いて、加温熟成しているんだが、どうなるかな。無理やり加温してもいい結果にならないという説もあるけどどうなんだ。

 

酒量:ぬる燗 1合