のんべえ手帖

のんべえの日常を綴った日記

ミスター・ブレインウォッシュ

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「信州亀齢」シュワッとキリッとした酸味。おいしいです。

前日、2時頃までオンライン飲み会。楽しすぎて終わりが見えなかったけど、終わったら眠さでベットに倒れた。朝までぐっすりだった。寄る年波には勝てない。そのまま昼近くまで寝てしまった。たくさん寝れるってまだまだ若い証拠じゃないか。

夜は、信州亀齢を飲みながら映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を見た。今をときめくストリートアーティスト、バンクシーの監督作品。2010年だから、10年前のもの。

ビデオカメラを片時も離さない自称映像作家、ティエリー・グウェッタさんが主人公のドキュメンタリータッチの映画。ティエリーさんは、ライフワークとして、深夜に街に落書きして自己表現を続けるストリートアーティストたちを追いかけて映像に収めていた。そんな中で、バンクシーに出会い、バンクシーの企みによりずぶの素人だったのが一夜にして有名アーティストとして認められるようになるという話。正確には一夜じゃないけども。

ティエリーさんは、これまで撮りためた映像を編集して映画を作ったり(ひどい映像だった)、個展をひらいたりする。個展は、めっちゃ人が集まって大成功。もちろんバンクシーの推薦があったからこそだけど。個展は話題となって、ティエリーさんの作品はバンバン売れる。マドンナのカバーアートを手がけたりして。そんなこんなも本当にあった話だそうだ。

バンクシーは、今のアート界に対して皮肉をこめてこの映画を作ったようだ。一夜にして、人はアーティストになれる。なんの下積みもなしで。

ではいったい、アートとは?

バンクシーも登場して(顔は黒塗り、ダークサイドに落ちた人みたいな声で)インタビューに答えたりしてる。いきなり有名になったけど、ティエリーさんの作品スタイルは、苦労して生み出されたオリジナルではなく、いくつかの作品を真似たもの、とも言っていた。

 

ティエリーさんのアーティスト名は、ミスター・ブレインウォッシュ( MBW)。洗脳だ。繰り返し言われると大事なことのように感じるし、意味づけられて価値となっていく。そんなふうに価値は洗脳から生まれる(こともある)。大いにある。

とても興味深かった。自分が今、価値を感じている、と思っているものにさえ疑問をもってしまった。そこまで深くは考えず、人が良いと言っているものを「良い」としていることも多々ある。

ブランドも一緒かも。

ま、でも、自分が気に入って価値を感じたならそれでいいか。特にアートは。きっかけは洗脳でも、自分が価値があると思えばそれは価値になるわけだ。誰がなんと言おうとも。絶対的なとのはなくて相対的なものかな。

嗜好が大きく絡むものは、ものさし自体が、あってないようなものだし。他者の影響を完全に受けないなんてことありえないし。

それから人の価値感は簡単に変わるし、たえず揺れ動いているものなのかも、とか。アートを巡り、洗脳から価値について考えた。特に答えはないのだけど。

 

酒量:日本酒1合