茨城の酒蔵、「白菊」の廣瀬商店さんと「太平海」や「渡船」を造る府中誉酒造さんへ蔵見学に伺った。廣瀬商店さんは1月に行く予定だったけど、いろいろあって延期になっていたので「やっと行けた!」という感じ。それから、お酒つながりの縁で、ご近所の府中誉さんとふたつの蔵を見せていただけることになった。ありがたやありがたや…。
まずは、廣瀬商店さん。西日暮里から常磐線に乗って1時間半くらい。
参加者4名、最寄り駅で集合した。「石岡にある」と聞いていたので、石岡駅とすっかり間違えていたけど、最寄りは高浜駅だった。高浜駅と石岡駅はひと駅違いだけど、高浜は特急とまらないので要注意。
気持ちいいくらい何もない。
空気が湿っていて温かい。そしてとにかく気持ちいい。眠気がふっとぶほど、気持ちいい。空気が美味しいから、酒も美味しいわけだ。
高浜駅から自然いっぱいの小道を歩く。廣瀬商店さんは、高浜駅から徒歩7分ほど。
立派な竹林!野放図!
恋瀬川。川辺で青いカワセミを見た。たぶんカワセミ。幸せの青い鳥は姿を現したと思ったらあっという間に飛んでいってしまった。
飛んでつながりで『翔んで埼玉』のロケ地も立ち寄る。茨城は、映画のロケ地になることが多いと、茨城っ子が言っていた。『カメラを止めるな!』もそうらしい。
茨城で千葉と埼玉が戦ったとか。ツワモノどもが夢の跡…
廣瀬酒造さんのシンボルである煙突。ときは江戸時代、1805年創業。関東大震災のときに入ったヒビが、東日本大震災でさらに広がったようだけど健在。ボイラーが出現してから、煙突は使っていないとのこと。
地元需要がほとんどなので、酒処のイメージはないけど、石岡地域は「関東の灘」と言われるほど、お酒造りが盛んだったそう。あと味噌・醤油なんかも。日本で2番目に大きい湖である霞ヶ浦が近く、利根川を経由して江戸へ酒樽を船で運んでいたらしい。海運あるところに酒蔵ありというわけだ。
蔵内を酒造りの説明とともに見せてもらって、とっても勉強になった。少量仕込みということもあり、ほとんどが手造り。南部杜氏の親方が、今も麹室に泊まり込んだりしているそうだ。杜氏の使ってるピンクのヨガマットも目撃した。
仕込みタンクのある部屋で、搾りたての日本酒が入ったタンクの緑色さに心打たれた。瓶詰めを待つ健気なお酒…。よい香り…。
プチプチとかわいい音をたてて発酵中のもろみも。このタンクを眺めながら、お酒飲んだらどれだけ美味しいんだ! しかしタンクが空いてしまう。
時間ある限り試飲もさせてもらった。ありがたやありがたや…。
某普通酒王がうまいと絶賛していてた白菊の普通酒。口当たりがほんっとにやわらかい。これぞ、ずっと飲めるやつ。初しぼり仕込み1号とともにお買い上げした。
酒粕もいただいてしまった。高グルコースを生成する麹を使うとでてくるという、黒いつぶつぶのある酒粕。すごくいい香り。
これで、酒粕ケーキをつくるとめっっっちゃ美味しいらしい。とりあえず、家で甘酒つくったら美味しかった!
ところで、もともとは、廣瀬商店ではなく白菊酒造さんだったようだ。背景にさりげなく描かれた船にも、歴史を知った今はうなずける。
廣瀬商店さんでは、少量なこともあってか、昔ながらの道具ややり方が引き継がれていて、ノスタルジックを感じさせる蔵の雰囲気も含めてとても好きになった。蔵元さんや杜氏さんの人の良さが感じられたことが大きかったのかも。
続いて隣駅の府中誉さんへ移動。ひと駅だけどタクシーが便利(電車の本数が少な…ゴホゴホ…)。石岡駅から10分以上は歩くし、高浜駅との間くらいにあるから。
府中誉さん、通常は蔵見学受け付けていないのだけど、同行の方のご縁で特別に見せてもらえた。ありがたやありがたや…。
「ごめんくださーい」ひっ…!猛犬いるんすか。
次回、猛犬との流血の戦い編(うそです)。
酒量:日本酒1合